何につけ、地味に手の掛かる蕾の家のお台所仕事を助けてくれるのは、塩と風と時間。目に見えないものが新しい姿や味を次々と作り出す様は、実に小気味良いものです。

それらを重ねて皿に収めた季節の味わいは、さもないながら唯一無二であり、美味しい日本茶と合わせたおもてなしには、どなた様に向けても恥ずかしくない蕾の家ならではの楽しさがあって、小さく胸を張れる心持ちです。
無いものを数えればキリがないけれど、自然と共にあることを感じられる暮らしはやはりとても豊かです。日々その安寧を忘れずにいる事が、いつしか蕾の家に対する私たちなりのリスペクトの形となっています。